2025.10.30
小田急線の「東北沢駅」「世田谷代田駅」間の地下化に伴ひ、その線路跡地を開発して「下北線路街」と呼ばれる新しい〝街〟が出来たので、そこを中心に京王井の頭線・小田急線「下北沢駅」から小田急線「世田谷代田駅」まで歩いてみる。
小田急線の線路跡地だけではなく、下北沢駅周辺では再開発が進み、スーパーマーケット「ピーコック」や「三省堂書店」が入つてゐた「下北沢駅前共同ビル」も建替工事中である。駅前広場は、バスロータリーになるらしい。

「東北沢駅」「下北沢駅」間の線路跡地「下北線路街」の下北沢寄りには、「空き地」と呼ばれる広場があり、プレハブのカフェやイベント・スペースがあり、週末にはライブ演奏やフリーマーケットなどのイベントが行はれる。

「空き地」の東には、「relord」と呼ばれる瀟洒な二階建ての商業施設があり、ファッションや飲食を中心にさまざまな店舗が入つてゐる。



下の写真は、「relord」の2階から眺めた「空き地」で、奥に「下北沢駅」が見える。

線路跡地は再開発が進んでゐるが、周辺には昔からの商店街・路地も残つてをり、多くの飲食店や古着屋が軒を連ねてゐる。ライブハウスも多い。



レトロ感のある商業施設「マルシェ下北沢」。小演劇の聖地「本多劇場」に繋がつてゐる。小生も何度か演劇を観に来たことがある。(随分前なので何を観たかは忘れた。)今回、「本多劇場」正面入口の写真は人がゐたので撮り損ねた。(一般の人の正面の顔写真は極力撮らないやうにしてゐる。)

「本多劇場」を始め、下北沢にはいくつもの小劇場がある。「ザ・スズナリ」には、去年、江戸時代から続く「江戸糸あやつり人形劇団 結城座」の「変身」を観に来た。


「本多劇場」の側にある古本屋「ほん吉」(店名の書かれた板が見当たらないが…。)

「ザ・スズナリ(鈴なり横町)」の手前にある「古書ビビビ」。元は「鈴なり横町」の1階にあつたらしい。

空腹を覚えたので、「下北沢駅」に戻り、井の頭線の高架下とその向かひに出来た商業施設「ミカン下北」の「下北六角」で昼餉。「鮭イクラ定食」を食す。


「ミカン下北」には、「下北六角」の他にもさまざまな飲食店の他、書店「TSUTAYA BOOK STORE」やファッションや雑貨の店などさまざまな店舗、さらにいくつかのオフィスも入つてゐる。


小田急線の「下北沢駅」ホームの上に出来た商業施設「シモキタエキウエ」。これも「下北線路街」の一施設である。飲食店や生活雑貨や花卉を売る店などがある。壁や柱には、馬場雄のイラストが描かれてゐて、愉しい。



「シモキタエキウエ」の西には、複合施設「NANSEI PLUS」があり、飲食店やデイリーショップの他、ミニシアターなどもある。

「NANSEI PLUS」から「世田谷代田駅」まで旧線路街の遊歩道が続いてゐる。

「下北線路街」の側の緑の成長を見守り手を入れ育む「シモキタ園藝部」。遊歩道にある「ChaYa」では、ワイルドティや天然蜂蜜などを売つてゐる。

遊歩道が鎌倉通りと交叉する手前には「シモキタ雨庭広場」がある。

鎌倉通りを越えると、商業施設「BONUS TRACK」があり、さまざまな店舗・施設がある。


「本屋B&B」。普通の本屋のやうに新刊本やコミック・雑誌を並べるのではなく、いくつかのテーマごとに本を展示してゐる。著者によるトークなどのイベントも開催してゐる。

「発酵デパートメント」。日本全国・世界各地から選んだ発酵調味料や漬物・酒・発酵茶などを販売し、それらを使用した定食なども提供してゐる。

店舗の背後に広場があり、その周囲にも施設がある。週末にはイベントが行はれることもある。

「BONUS TRACK」の先には、「世田谷代田 仁慈保幼園」がある。

さらに進むと「世田谷代田駅」の手前に鳥料理の「合心酉庵」や温泉旅館「由縁別邸 代田」がある。「由縁別邸 代田」では、宿泊以外に食事と日帰り入浴のセットもある。温泉は、箱根芦ノ湖の源泉から運んでゐるさうだ。


「世田谷代田駅」に着く。以前来た時に、何人もの女性が駅のベンチに座つて写真を撮つてゐて、驚いた。小生は視てゐなかつたが、「下北線路街」がドラマ「silent」(主演:川口春奈・目黒蓮)のロケ地になり、訪れる若者が大勢ゐたやうだ。(小田急電鉄では「silentロケ地マップ」を配布したさうだ。)


東京都道318号環状七号線(環七通り)に架かる「代田富士見橋」とその袂の「CAFE KALDINO」。

「代田富士見橋」を渡ると、東京農業大学のアンテナショップ「『農』の蔵」がある。東京農大で作つた農作物加工品や東京農大ゆかりの全国の美味しいものを集めて販売してゐる。隣接してイタリアン・レストラン「VERACE PANETTERIA GASTRONOMIA」やおむすび屋「おともさん」もある。


その先には「代田富士356広場」があり、晴れた日には富士山が見える。

近くにある「代田八幡神社」。1591年(天正19年)創建。拝殿前の鳥居(環七沿ひにも鳥居がある)は、世田谷区内で2番目に古く、区の有形文化財に指定されてゐるさうだ。

小田急線「東北沢駅」「世田谷代田駅」間の地下化に伴ひ、線路跡地を開発して生まれた新しい〝街〟である「下北線路街」を歩いてきたが、大手チェーン店は「シモキタエキウエ」の「Starbucks Coffee」くらゐで、個性的な店舗・施設が多く、愉しかつた。(「TSUTAYA BOOK STORE」はチェーン店ではあるが、元々個性的な店作りを売りにしてきた書店である。)下北沢は、元々演劇や音楽が盛んで、新しい文化に敏感な若者が多く集まる街である。再開発といふとどこに行つても同じやうなチェーン店ばかりの駅ビルや商店街になるのではなく、かうした個性的な街作りが成功して、他にも広まつてほしい。



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