富山行1日目 「富山市ガラス美術館」「一万三千尺物語」

街角の本屋までの旅

2025.06.28

 北陸新幹線「かがやき」で富山駅に着く。主な目的は「あいの風とやま鉄道」の観光列車「一万三千尺物語」に乗ること。富山駅構内には、「ますの寿司」の自動販売機や「富山湾鮨」の食品サンプルがある。

 駅前のホテルに荷物を預け、まづ昼食。新幹線高架下の「きときと市場とやマルシェ」「白えび亭」「白えび丼」「白えび刺身(小)」を食す。「白えび丼」は、たつぷりの白えびの天ぷらと鰤の天ぷらに野菜天が2種、海老出汁の吸物と白えびせんべい付き。

 「一万三千尺物語」は、土日祝日に基本的に2便の運行で、我々の乗る2号は、16時半頃に富山駅を出発するので、それまで市内観光をする。
 富山市には、「富山地方鉄道」「市内電車(路面電車)」が走つてゐて、富山駅と南富山駅や富山大学などを結ぶ線と中心市街地を巡る環状線とがある。

 富山駅から市内電車に乗り、西町で降りると、眼の前に「富山市ガラス美術館」がある。(建物は、隈研吾建築都市設計事務所など3社による共同企業体が設計を担当した複合施設「TOYAMAキラリ」で、「富山市ガラス美術館」「富山市立図書館本館」「富山第一銀行本店」などが入居してゐる。)

 内部は、木材を多用し、エスカレーターの周囲は吹き抜けになつてをり、その南側が「富山市ガラス美術館」、北側が「富山市立図書館」で、開放的な空間になつてゐる。

 2階にはミュージアムショップとカフェがある。カフェで「富山ブラックサイダー」(富山の御当地ラーメン「富山ブラック」をイメージして作つたサイダー)を飲む。醤油の風味と黒胡椒のスパイシーなフレーバーが感じられるが、甘味と炭酸の爽やかさもある。)窓際のカウンター席に座つたので、窓から市内電車の「西町」停車場が見えた。

 歩いて「越中反魂丹」で有名な老舗薬種問屋「池田屋安兵衛」に行く。胃腸障害に効く「越中反魂丹」や糖尿病や頻尿に効く「八味丸」などはあつたが、残念ながら小生の呆け防止に効く薬は無いやうなので薬は買はずに出てきた。(最近、人の名前を忘れて困るのだ。)
 ちなみに富山でガラス工芸が盛んなのは、薬を入れるの製造に端を発してゐるらしい。

 まだ少し時間があるので、市中心商店街をブラブラする。
 「総曲輪通り商店街」にある「地場もん屋」は、市内で採れた新鮮野菜や花・果物・加工品などの特産品を販売してゐる。「総曲輪商店街」はアーケードがあり、「西町」「中央通り」とともに3つの主要な商店街を形成してゐる。ちなみに「総曲輪」は「そうがわ」と読むさうだ。(知らなきや読めないよね。)地名の由来は、富山城の外堀が「曲輪(くるわ)」と呼ばれてゐたことかららしい。

 「総曲輪FERIO」の7階には「紀伊國屋書店」が入つてゐる。(時間に余裕が無いので覗かなかつたが…。)「総曲輪FERIO」と隣の「総曲輪CUBY」との間は、天井と側面はガラス張りになつてゐて、全天候型の野外広場「グランドプラザ」がある。

 「ユウタウン総曲輪」は、映画館やホテルなどが入る複合商業施設。

 そろそろ富山駅に戻ることにする。市内電車の線路沿ひを歩く。途中「市民プラザ」「富山国際会議場」などがある。

 駅に向かふ道の正面には「富山城」が見える。模擬天守で、「富山市郷土博物館」になつてゐる。

 「丸の内」停車場から市内電車に乗る。反対方向には、新型車輌の「セントラム」が来た。市内電車には、数種類の車輌があり、水戸岡鋭治がデザインした「レトロ車」などもある。

 「あいの風とやま鉄道」の「富山駅」。「あいの風とやま鉄道」は、北陸新幹線の長野駅—金沢駅間が延伸開業する際、JR西日本から並行在来線として経営分離される北陸本線の富山県内区間にあたる倶利伽羅駅—市振駅間において運営を担ふ鉄道事業者として設立された第三セクター方式の鉄道事業者である。

 改札を入ると、階段を昇つた所に、「立山連峰」の雄大な写真が飾られてゐる。

 「一万三千尺物語」は、「あいの風とやま鉄道」の観光列車で、車窓に拡がる富山の風景を眺めながら、〝天然の生簀〟と呼ばれる富山湾の恵みと豊かな里山の恵みをふんだんに盛り込んだ四季の味が愉しめる。(「あいの風とやま鉄道」のHPによれば、一万三千尺とはメートル法で約4000m、標高3000m級の山々が連なる立山連峰と深海約1000mの富山湾との高低差を表してゐるとのこと。)1日2便で、1号は、富山発着で新潟県境近くの泊駅で折り返す「富山湾鮨コース」、2号は、富山発着で黒部駅で折り返し、富山駅を通過し高岡駅でまた折り返す「越中懐石コース」。列車のヘッドマークは、立山連峰のシルエットの上に「The Story of 13000’」の文字。ボディにも、立山連峰のシルエットが描かれてゐる。

 我々が乗る1号車の車内。カウンター席(山側)と2名用のボックス席(海側)。天井・床・テーブルには富山県産の「ひみ里山杉」を使用し、富山湾を意識した「青」をアクセントとして使用してゐるといふ。

 カウンター席の端では、名誉車掌の「ライチョウ」が見守つてゐる。反対側のボックス席には、「あいの風とやま鉄道」のマスコットキャラクター「あいの助」と滑川市のイメージアップキャラクター「ピッカ」(ホタルイカをモチーフにしてゐるらしい)が座つてゐる。

 乗車すると、座席にはすでに食事(二段重)が用意されてゐた。

 2号の食事は、「越中料理 五万石本店」提供の「越中懐石」で、「ますの寿司」「カニ爪ころっけ」「ホタルイカ酢味噌」「立山ポーク八幡巻」など地元の食材をふんだんに用ゐてゐる。「ゆずスパークリング」付き。この後「甘海老真丈の吸物」も運ばれてきた。料理の種類も多く、美味しかつた。

 デザートは、和菓子処「引網香月堂」の上生菓子。コーヒーは、世界的なファスナーメーカーの「YKK」がブラジルで生産してゐる最高級の豆を用ゐてゐるさうだ。

 早月川が富山湾に注ぐ河口付近。右端の観覧車は、「ミラージュランド」「ジャイアントホイール大観覧車」。日本海側では、最大級の観覧車だといふ。日本で最も歴史の長い「魚津水族館」も近くにあるさうだ。車内では、運行ガイドが、車窓からの風景や観光案内をアナウンスしてくれる。
 山側の車窓からは、立山連峰が見えるが、残念ながらこの時期は湿度が高いため靄が掛かつてゐて鮮明には見えない。

 最初の折り返し地「黒部駅」で下車。駅舎の端の壁には「四季の彩り」のポスター(看板)が「宇奈月温泉」までのアクセスとともに掲示されてゐた。

 黒部駅で折り返し、富山駅を通過して、2回目の折り返し地「高岡駅」に着く。高岡市は、藤子・F・不二雄の出身地で、「藤子・F・不二雄ふるさとギャラリー」がある。(残念ながら行く時間は無いが…。)改札を出ると、「ドラえもんポスト」があり、ここで投函した郵便物にはドラえもんの消印が捺されるといふ。(改札脇のコンビニエンスストアで切手を売つてゐる。)ポストは、ドラえもんブルーではなく茶色だが、高岡は銅器の製造が盛んで、このポストも銅製だからださうだ。

 乗客がゐると写真を撮りづらいので、富山駅で下車する際に3号車の車内を撮らせてもらつた。3号車は、木の温もりが感じられるデザインは1号車と共通だが、すべてボックス席で、海側が4名用、山側が2名用になつてゐる。

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