感動文具1 FARBER-CASTELL「伯爵コレクション・ポケットペン」

偏愛文房具

 小生が、その技術・アイディア・情熱等で〝感動〟した文房具を紹介していきたいと思ふ。
 まづ最初は、2024年11月11日の「M5(システム手帳)用ミニペン」の投稿でも取り上げたが、FARBER-CASTELL (ファーバー・カステル)の「伯爵コレクション・ポケットペン」である。ボールペンもあるが、小生が所有するのはペンシル。芯の太さは0.7mm。気品のあるデザインで、表面にはプラチナ・コーティングが施され、高級感がある。全長は 9cmでシステム手帳のM5にピッタリ。撥条(ばね)式のクリップが付いたキャップがあつて、尻軸に付けるとエクステンダーになり、その場合の全長は10.5cmで、(少なくとも手の小さな小生には)筆記に十分な長さになる。

 キャップの着脱は螺子(ねぢ)式なのだが、小生が最初にこの「ポケットペン」を手にして感動したのは、その〝螺子〟である。
 ちよつと見たところ、螺子があるとは判らない。だが、キャップの内側を覗くと、確かに螺子の溝が見える。

 胴軸も、一見して螺子があるとは判らない。先端側からよく見ると、胴の部分が二重になつてゐるのが判る。この内側に螺子が切つてあるのだ。

 尻側も、同様に胴が二重になつてゐて、その中に螺子がある。

 キャップの着脱をするための螺子が外からは見えない。この狭い間隔で胴軸を二重にして螺子を切るのは、高い技術力手間が必要だらう。実用には関係無いが、螺子の溝を見せないといふ美学、それを実現するクラフトマンシップに、小生は感動を覚える。
 日本の技術力も、ドイツに引けを取らないだらう。だが、日本は廉価で良質のものを提供することでは世界一だらうと思ふが、価格を抑へることが最高の品質を実現する足枷になつてゐないだらうか?(欧米諸国や中韓と違ひ、日本は30年間実質賃金が上がつてゐないのだから、企業が一般国民の購買意欲に不安を感じて廉価な商品を提供しようとするのも仕方ないけれど…。)

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