2025.05.18
「高輪ゲートウェイ駅」に行く。
昨年訪れた時には、駅舎3階(改札外)の「STARBUCKS COFFEE」のテラスから眺めた駅コンコースは現代的で洒落てゐたが、駅周辺はほとんど工事中だつた。
ところで、駅名は地名の「高輪」がよかつたと思ふ。(ちなみに、JR東日本が行つた駅名の公募では、1位が「高輪」、2位が「芝浦」、3位が「芝浜」で、「高輪ゲートウェイ」は130位だつたさうだ。これでは公募をした意味が無いだらう。)
駅舎のデザインアーキテクトは隈研吾(照明デザインは面出薫)で、ホームやコンコースの床を初め木材を多用し、大屋根は折り紙をモチーフとしてゐる。屋根は光を透過させながらも熱は遮断する膜構造を採用してゐる。




南改札を出ると広場(Gateway Park)があり、3月27日から「TAKANAWA GATEWAY CITY(高輪ゲートウェイシティ)」のまちびらきイベントが行はれてゐる。


一際目立つのは、フランス人アーティストのエマニュエル・ムホー(emmanuelle moureaux)の『100 colors』シリーズno.53「100色の道」。100色の無数の線で作られたインスタレーションの1本1本に2025年から100年先までの年号が刻まれてゐる。

駅の正面には、商業施設「THE LINKPILLAR 1」があり、Gateway Park の先からツインタワー「NORTH」と「SOUTH」の間を通り抜けられる。

通り抜け広場(?)の先の階段を降りると広い通路があり、ベンチなども置かれてゐるが、第一京浜との間はまだ工事中で、工事現場を囲む塀には高輪の歴史を表すために当時の錦絵などが描かれてゐる。
新橋・横浜間に日本で初めて鉄道が開業した時、高輪には海中に石を積んで「築堤」を築いてその上に線路を敷いた。陸上は家屋等があつたためだが、舟が通れるやうに橋梁も築かれた。「高輪ゲートウェイシティ」建設に際し、「高輪築堤」の遺構が発見され、その一部を現地保存、一部は移築保存してゐる。




「高輪ゲートウェイシティ」界隈も含めて「品川の将来像」も描かれてゐた。

まだレストラン等はオープンしてゐないので、フードトラック(キッチンカー)がいくつか出店してゐた。ロースト・ビーフ丼や富士宮やきそばの店もあつたが、小生は「八芳園」が岐阜県山県市とコラボして現地の食材を使つた「ロコモコ丼(トッピングにソーセージ1本)」と「美濃娘(苺)のレアチーズケーキ」を食べた。ベンチに座つて食べようと蓋を開けたら、目玉焼きが載つてゐなかつた。申し出たら、目玉焼きと「お詫びに」と言つてソーセージを1本追加で載せてくれた。結果的には得をした。



「THE LINKPILLAR」のいくつかの階には「NEWoMan高輪」が入るのだが、まだ「THE LINKPILLAR 1 NORTH」2階の「ニコライ バーグマン」と「THE LINKPILLAR 1 SOUTH」2階の「ブルーボトルコーヒー」しかオープンしてゐなかつた。



「THE LINKPILLAR 1 SOUTH」の6階では、「未来へつながる 鉄道とまちづくり展」と題して、高輪ゲートウェイシティの模型や高輪と鉄道の歴史を示す展示・上映を行つてゐる。週末限定(一部予約制)のワークショップなどもある。今日も、「全国高等学校鉄道模型コンテスト全国大会」で受賞経験もある「高輪学園 旅行・鉄道研究部」が「鉄道模型運転体験コーナー」「鉄道シミュレーター運転体験コーナー」を開催してゐた。


このイベントのために作製した「高輪ゲートウェイ駅」を再現したジオラマで、部員の指導の下でNゲージの運転体験ができる。(原則小学生対象。)



改札口のある2階は南北に長くデッキが続いてゐる。下の写真の左側に見えるのは、北改札の北側の折り紙をモチーフとした駅舎の大屋根である。

まだ「TAKANAWA GATEWAYCITY RESIDENCE」(住居)・「MON TAKANAWA:THE MUSEUM OF NARRATIVES」(複合文化施設)・「THE LINKPILLAR 2」(オフィスフロア・商業施設・クリニック等)といつた施設は2026年春のグランドオープンに向けて工事中である。

2階テラスをエスカレーターで(階段もあるが高齢者は膝にくるので)降りると、「泉岳寺」交叉点に面した「泉岳寺辻広場」といふエリアがある。(ここもまだ一部工事中。)

交叉点のすぐ近くに都営浅草線の「泉岳寺駅」がある。

交叉点から東に向かつて坂を登ると「泉岳寺」があるのだが、途中に「四十七義士」の石碑がある。(摩耗してゐて一部文字が読めない。)

「泉岳寺」に着く。中門を入ると、門前の売店・大石内蔵助銅像などがある。



山門。参道を途中で右に折れると、「高輪ゲートウェイシティ」で「旅行・鉄道研究部」が運転体験のワークショップを行つてゐた「高輪学園」がある。

本堂。最近は、以前のやうに12月になると必ず「忠臣蔵」のTVドラマを放映するといふことは無くなつたが、それでも本堂よりも「赤穂義士墓所」を訪れる人の方が多いやうだ。歌舞伎や人形浄瑠璃(文楽)でも「忠臣蔵」は最も人気の演目の一つである。

山門を入り左に進むと、「赤穂義士墓所」・「赤穂義士記念館」がある。「赤穂義士記念館」には義士の遺品や木像が展示されてゐる。


「赤穂義士墓所」の階段を昇り、義士墓入口の門をくぐると、大石内蔵助之を初めとする義士たちの墓がある。墓所に入ると墓に手向ける線香(300円)を買ふことになつてゐる。墓所は、あくまでも宗教施設であり、心ない観光客に墓を荒らされるのを抑止するためだらう。


泉岳寺から駅に向かつて坂を降つて来ると、交叉点の向かうに「MON TAKANAWA:THE MUSEUM OF NARRATIVES」・「THE LINKPILLAR 2」などが工事中なのが見える。「高輪ゲートウェイ駅」は、山手線で最も乗降客が少ない駅ださうだが(今はまちびらきのイベントで少し増えてゐると思ふが)、「高輪ゲートウェイシティ」がグランドオープンした暁には高輪の街全体が活性化してほしいものだ。

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