2024.12.27 その2
「出雲大社」からバスで今回の旅の主目的「足立美術館」へ向かふ。(「出雲大社」「鳥取砂丘」「姫路城」は以前来たことがあるので…。)
車窓から見える家々の多くが赤褐色あるいは黒色の「石州瓦」を用ゐてゐる。「石州瓦」は、三州瓦・淡路瓦と並ぶ日本三大瓦の一つで、焼成温度が1200度以上と高いため凍害・塩害に強く、表面には釉薬が塗られて積もつた雪が滑り落ちやすくなつてゐる。この地域では、鬼瓦に七福神の大黒・恵比寿の顔の装飾が施されてゐるものも多いさうだ。


「足立美術館」に着く。
「足立美術館」は、美しい日本庭園で有名で、「枯山水庭」「白砂青松庭」「苔庭」「池庭」など、面積は5万坪に及ぶ。米国の日本庭園専門雑誌『ジャーナル・オブ・ジャパニーズ・ガーデニング』の日本庭園ランキングで21年間連続日本一に選出されてゐる。『ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン』でも、三つ星(最高評価)として掲載されてゐる。近代日本画を多く収蔵し、横山大観の収蔵は質量ともに日本有数である。2020年には開館50周年を記念して「魯山人館」が新たにオープンした。
庭園は、借景を巧みに利用して庭園との境を感じさせず(東京の庭園と違ひ周囲に高い建築物が無い)、庭園の小山から流れ落ちる滝も人口のものである。庭園の樹木は、よく手入れされてをり、四季それぞれの美しさを堪能できる。





窓を額縁に見立てて大きな風景画のやうに見せたり、仏壇の傍らの縦長の窓を掛け軸のやうに見せたりといつたユニークな工夫もある。


今回のツアーは、高齢者が多くゆつたりとした時間設定で、「足立美術館」見学後は、「三朝温泉」に向かふ。
小生の宿泊は、三朝温泉街のほぼ中央にある「依山楼 岩崎」。

着いたのが16時半くらゐだつたので、部屋に荷物を置いて、温泉街を散策する。
大通りには、由緒ある感じの大きな旅館が建ち並んでゐる。

温泉街には、三徳川に3本の橋が架かつてゐる。下の写真の橋の欄干の親柱に刻まれた写真は、近くの「三徳山三佛寺投入堂」である。「投入堂」は垂直に切り立つた絶壁の窪みに建てられた他に類を見ない建築物で、国宝に指定されてゐる。ぜひ一度参拝したいと思つてゐたが、三徳山の登山は鎖を頼りに登らなければならない険しい道(崖)もあり、もうこの年では厳しいだらう。

下流(温泉街入口近く)の「かじか橋」にはかじか(蛙)のモニュメントや与謝野晶子等の歌碑があつたりする。

「三朝橋」の近くには、足湯や混浴露天風呂「河原風呂」があるが、下の写真で判るやうに「河原風呂」は周囲から丸見えなので女性はほとんど入らないといふ。

対岸には、川と並行する路地があり、そこにも大通りよりは小さめの旅館が何軒も並んでをり、射的やスマートボールができる懐かしい娯楽場もある。(日が沈み暗くなつたので、手振れやピンぼけで写真が不鮮明なのは御容赦を…。)


上流の「恋谷橋」にあるかじか蛙像は、縁結びのかじか蛙として親しまれてゐて、近くには恋愛成就の願を掛けた絵馬が結び付けられてゐる。橋上の歩道には東屋があり、恋愛が成就したカップルが、夜景を眺めながら愛を語つたりするのだらうか?


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