上野 「オルセー美術館所蔵 印象派展」「ゴッホ展」「不忍池」

街角の本屋までの旅

2025.12.10

 「国立西洋美術館」で開催中の展覧会「オルセー美術館所蔵 印象派 室内をめぐる物語」及び「東京都美術館」で開催中の「ゴッホ展 家族がつないだ画家の夢」を観るために、上野に行く。
 公園口改前の銀杏が黄葉の盛りだつた。

 改札を出て「上野恩賜公園」(上野公園)に入ると「印象派展」の大きな看板が眼に付く。

 この企画展が始まつて1箇月以上が経つからか、「国立西洋美術館」には、ほとんど並ぶことなく入ることができた。

 展示会場の入口前には、例によつて代表的な作品の複製画の垂れ幕が掲示してある。

 今回の展示の見所を、公式チラシでは次のやうに述べてゐる。

 「室内」をテーマに、「戸外の光」だけではない印象派のもうひとつの魅力をご紹介。
 「印象派の殿堂」パリ・オルセー美術館から、日本初公開作品を含む約70点が来日!
 マネ、ドガ、モネ、ルノワール、セザンヌらの優品が勢ぞろい。
 オルセー美術館の印象派コレクションがこの規模で来日するのはおよそ10年ぶり。
 若き日のドガによる、才気みなぎる代表作《家族の肖像(ベレッリ家)》が日本初公開!
 国立西洋美術館やフランスのジヴェルニー印象派美術館のほか、国内外に所蔵される重要作品も一堂に展示。

 原則撮影禁止だが、いくつかの作品については撮影が許可されてゐた。いくつかを掲げておく。
 日本初公開のエドガー・ドガ「家族の肖像(ベレッリ家)」。若き日の代表作である。

 ピエール・オーギュスト・ルノワール「ピアノを弾く少女たち」。ルノワール独特の柔らかなタッチの絵である。ルノワールには、同じ構図の作品が3枚ある。

 クロード・モネ「睡蓮」。こちらは「国立西洋美術館」所蔵品。

 前回(2025.01.30)は「韻松亭」だつたが、今回は公園内の「EVERYONES CAFE」で昼餉。「Garden Plate(ポーク)」を食す。小さな豚丼(豚肉は東京産)にスープと小鉢6個が付く。(普段の昼食は、倹約のため家で自炊をしてゐるので、旅先で郷土料理を食べたり街歩きの際にプチ贅沢をしたりするのが愉しみなのだ。)

 午後は、「東京都美術館」に行く。「ゴッホ展」の大きなポスターが掲示されてゐた。今回の「ゴッホ展」は、「ファン・ゴッホ家が受け継いできたファミリー・コレクションに焦点を当てた日本初の展覧会」とのこと。(公式チラシに拠る。)生前はあまり評価されなかつたゴッホの才能を信じ、支援し続けた弟テオやテオの死後はその妻ヨーがゴッホの作品を守り評価の契機を作つたことは有名である。ゴッホの作品だけでなく、ゴッホが所有してゐた作品も展示してゐる。(日本の浮世絵などもある。)
 「ゴッホ展」は、会期終了が近いせゐか、チケット売場・受付ともに長い行列が出来てゐた。会場内も混雑してゐて、最前列で観るのは困難だつた。平日といふこともあり、中高年の女性が圧倒的に多かつた。

 「上野動物園」「新鶯亭」「売店」の前を通り、「上野東照宮」の境内を抜け、鰻料理の老舗「伊豆栄」の支店「梅川亭」の脇の階段を降りると、「不忍池」畔の道に出る。

 階段下から「不忍池辨天堂」に向かふ道沿ひに「上野精養軒」「五條天神社」がある。「五條天神社」の主祭神は、大己貴命(おほなむぢのみこと)・少彦名命(すくなひこなのみこと)。

 「上野動物園」の「弁天門」の前を通り、「不忍池辨天堂」に行く。

 「不忍池辨天堂」の参道に「利行碑」がある。放浪の画家・長谷川利行は、その画風や波乱に満ちた生涯から〝日本のゴッホ〟と呼ばれたといふ。(「ゴッホ展」の帰りに通り掛かつたのも何かの縁だらう。)

 「不忍池辨天堂」は、江戸初期の寛永年間に、天台宗東叡山寛永寺の開山・慈眼大師天海大僧正(1536~1643)によつて建立されたといふ。天海大僧正は、「寛永寺」を創るに当たり、「寛永寺」を比叡山「延暦寺」に見立て、そして「琵琶湖」に浮かぶ「竹生島」の「宝厳寺」に見立てて「辨天堂」を建立したのださうだ。(「不忍池辨天堂」公式HPに拠る。)

 「辨天堂」を向かつて左から裏へ廻ると、「庖丁塚」「鳥塚」がある。「庖丁塚」は、上豊調理師会により建立された。料理人が使ひ終へた包丁に感謝の念を込めて納める所で、神聖な供養の場所である。隣にある「鳥塚」は、東京食鳥鶏卵商業協同組合及び東京都食鳥肉販売業環境衛生同業組合の有志が建立した。生活の糧のために犠牲になつた鳥類に感謝し、その魂を供養する場所である。人間に限らずすべての動物は、他の生物の命を奪はなければ生きていけない罪深い存在である。生きるためには仕方の無いことだが、せめて奪つた命を無駄にしないことと感謝の気持を抱くことは心掛けたい。
 この他にも、不忍池には多くの碑がある。

 「辨天堂」の裏手から池の中の道を行く。八角形のお堂がよく見える。今は枯れてしまつてゐるが、夏にはの花が一面に咲き誇る。

 「ボートハウス」は休業してゐるので、「ボート池」のスワンボートは整列したままである。手前にも並んでゐる。

 ベンチで憩ふ老人が餌を投げ与へると、百合鷗が集まつて来る。

 池の畔には「上野恩賜公園野外ステージ」もある。(下の写真は、手を伸ばして塀の上から撮つたもの。)

 池畔を歩いてゐると何かイベントをやつてゐるらしく、屋台が立ち並んでゐた。

 不忍通りを歩いて行くと、屋台の列の反対側の端に看板があつた。「上野シタマチCHRISTMAS」といふイベントらしい。ミニライブもあり夜にはイルミネーションも点るやうだ。

 イベント会場の向かひに「台東区立したまちミュージアム」がある。「下町風俗資料館」を今年の3月にリニューアルしたもの。(リニューアル後に見学するのは初めてである。)
 掲示板には現在実施中の企画展「したまちの乗り物 路面電車のおもいで」のポスターなどが掲示されてゐる。

 1階は再現展示室で、「昭和30年代の町並み」の再現。下は再現した「表長屋 提灯屋」の建物の写真。小生の幼い頃と共通するところが多く、懐かしい。「表長屋 提灯屋」の入口と接続する形で、金杉通りのイラストが映し出される。(人や車のイラストが動く。)
 2階は常設展示室で、下町の歴史に関する展示。3階は、企画展示室

 「下町ミュージアム」の不忍通りを挟んだ向かひに「伊豆栄本店」がある。「伊豆栄」は、森鷗外谷崎潤一郎など多くの文人たちに愛された鰻の名店。寄席の定席「鈴本演芸場」も近くにあるので、立川談志など多くの落語家も通つてゐた。

 「上野公園」の広小路側の入口(かえるの噴水の手前)には、やはりクリスマスのイベントだらう、様々なサンタの像が置かれてゐた。

 その先に「京成上野駅」の出入口がある。京成本線は、ここ「京成上野駅」から「京成船橋駅」を経て「成田空港駅」までを結ぶ。

 「アメヤ横町(アメ横)入口。「アメ横」では、確か大学の頃に、万年筆(MONTBLANCかPelikanだつたと思ふ)を買つたことがある。

 JR「上野駅」不忍改札に着いた。
 折角ここまで来たので、神保町に寄つて帰らうと思ふ。

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