伊予大洲から宇和島へ 「宇和島城」

街角の本屋までの旅

2025.03.28 その2

 「伊予大洲駅」から予讃線「特急 宇和海」「宇和島駅」に着く。

 「宇和島駅」には、観光列車のポスターが3枚並んで貼り出されてゐた。経営の厳しいJR四国も力を入れてゐるのだらう。

 宇和島で昼食。郷土料理は昨夜食べたので、明治10年創業の老舗麵所「菊屋」で名物のちやんぽんを食べようと思つたが、臨時休業。商店街を歩いて適当な店を探す。13時半くらゐになつてゐたが短いながらも行列の出来てゐる「天麩羅 天よし」に入り、「天よし定食」(海老1本・白身魚2品・いか・国産鳥もも・野菜4種・赤だし付)を食す。天麩羅はあっさりとしてゐて美味しく、箸休めに「ガリ」と「いか明太」もあり、お値打ちの店だつた。(後で判つたがガイドにも載る評判の店だつた。)

 「宇和島城」に行く。標高約80mの丘陵に築かれてをり、長い石段を登つて天守に向かふ。
 「宇和島城」は、安土桃山時代に築城の名手と言はれた藤堂高虎により築かれ、その後、伊達家の居城となり、伊達2代藩主宗利による改修が行はれた。貴重な現存12天守の一として宇和島市の象徴にもなつてゐる。
 ちなみに現存12天守は、弘前城(青森県)・松本城(長野県)・丸岡城(福井県)・犬山城(愛知県)・彦根城(滋賀県)・姫路城(兵庫県)・松江城(島根県)・備中松山城(岡山県)・丸亀城(香川県)・伊予松山城(愛媛県)・宇和島城(愛媛県)・高知城(高知県)で、このうち松本・犬山・彦根・姫路・松江の5城が国宝に指定されてゐる。(姫路城は、世界文化遺産にもなつてゐる。)

 宇和島藩第7代藩主・伊達宗紀が隠居所として建築した「天赦園」を観る。池泉回遊式の庭園で、国の名勝にも指定されてゐる。白藤が有名らしい。3枚目の写真には、池に架かる形で藤棚があるのが判る。「天赦園」の名は、伊達政宗の漢詩、
 馬上少年過(馬上に少年過ぎ)
 世平白髪多(世は平にして白髪多し)
 残軀(残軀は天の赦す所)
 不楽是如何(楽しまずして是を如何せん)
の一節にちなみ、余生を楽しみたいといふ思ひが込められてゐるといふ。(現在の小生の心持ちにも合つてゐる。)

 「天赦園」のすぐ近くに「宇和島市立伊達博物館」があるので、見学する。

 宇和島駅近くのホテルに戻る。ホテルの部屋からも山上の「宇和島城」が見えた。

 夕食は、近くの郷土料理店「かどや」で、地酒をちと飲みながら「じやこ天」「蒲鉾盛り合はせ」を摘まみ、「宇和島鯛めし膳」を食す。

コメント