小さなメモ帳

偏愛文房具

 日本人は、小さなものが好きである。かつて「うさぎ小屋」と揶揄された家の小ささは、国土の狭さに因るもので、好きで小さい家に住んでゐるわけではないだらうが(小生の家は町内一小さいが勿論経済的理由に因る)、自然を縮小して庭の中に再現したり、木を成長させず小さなまま鉢に植ゑて盆栽にしたりする。かぐや姫一寸法師桃太郎も、当初は極めて小さな者として登場した。精巧なアニメのフィギュアは、外国人観光客にも人気である。当時としてはかなり小さなサイズのApple「PowerBook2400c」は、日本向けのモデルとして登場した。
 手帳メモ帳も、車で移動するのが基本のアメリカと違ひ、電車での移動が基本となる日本では、小さな物の方が扱ひやすい。最近はスマートフォンを見てゐる人ばかりになつたが、かつては電車の中では文庫本を読んでゐる人が多かつた。システム手帳でも、欧米以上にMini6サイズやMicro5サイズが好まれるのは、その携帯性ゆゑだらう。メモ帳も、小さなものなら、色々なバッグに入れつぱなしにしておけば、必要な時にすぐに書き込むことができる。
 そこで、小生が愛用する小さなメモ帳(ノート)を紹介しようと思ふ。メモ帳といへば、RHODIAを使つてゐる人も多いと思ふ。小生も、RHODIAの「N°11」と「N°12」を長く愛用してきた。ここでは、RHODIAの「N°11」を基準にして、それよりも小さい物を紹介する。大きさを比較する対象として、写真ではRHODIA「N°11」を横に並べて置く。
 まづは、そのRHODIA「N°10」である。「N°11」の半分の大きさだ。これは表紙が黒だが、勿論オレンジのものもある。下の写真は、先日神戸三宮の「NAGASAWA ナガサワ文具センター」で買つたナガサワ・オリジナルケースに入つた「N°10」である。

 RHODIAからは、昨年「オーガナイザー・ミニ3穴」も出た。写真は、RHODIAオリジナルの山羊革のケースに入れたもの。サイズは、「N°11」よりも一回り小さい。穴の間隔は、システム手帳と同じなので、バイブルサイズのシステム手帳に入れることもできる。(M6やM5だと横がはみ出る。)

 PLOTTERからも同じ「3穴リフィル」とカバーが出た。穴の間隔は、RHODIA同様システム手帳と同じ。メモ自体は、長さはほぼ同じだが、幅(リングを左にした場合は高さ)が小さい。

 次は、paperblanksの「マイクロ」である。「N°11」よりも少しだけ小さい。綺麗なハードカバーで栞も付いてゐる。(メモ帳ぢやなくて立派なノートだね。)

 次は、メモの定番で、使つてゐる人も多いmarumanMnemosyneシリーズの「N161」。長さは「N°11」と同じだが、幅が狭い。

 次は、これも定番、DELFONICSRollbahn「ポケット付メモ ミクロ」。小生は、リング式のノートやメモ帳は、使用後の処理が面倒であまり好きではないので、ここで紹介するリング式のメモ帳は、これだけである。ストラップが付いてゐるので、バッグにぶら下げることもできる。

 次は、メーカー不明。表紙に「HAVE FUN」と箔押しがある。

 次は、ツバメノートThinking Power Notebookシリーズの「サイモン」。下の写真は、革小物メーカーCOBUの専用革カバーと並べた。カバーには円形に「THINKING POWER TO THE PEOPLE」と刻印がある。

 Thinking Power Notebookシリーズには、さらに小さい「ナイト・アンド・デイ・ディンプル」もある。小生は、これを色んなバッグのポケットに入れてゐる。(今は、M5のシステム手帳を携帯してゐるが、バイブルサイズを使つてゐた時は、ちよつとした散歩や買物には嵩張るので持ち歩かなかつた。さういふ時は、メモ帳が無いとレシートの裏に書いたりしたが、それもちよつと恰好悪いし、いつでもレシートがあるとは限らない。)下の写真は、専用の「カンガルー・ジップ・カバー」(ビニール製)に入れたもの。ファスナー付きポケットがあり、切り取つたメモを入れられる。

 この「ナイト・アンド・デイ・ディンプル」が愉しいのは、表紙の絵が10種類(多分)あり、続き絵になつてゐるところである。小生は、2冊セットを通販で買つたのだが、表紙の絵を揃へるために何セットも買つた。(便利で気に入つてゐるからいいのだけれど…。)以前は、有楽町ロフトでも売つてゐたのだが、現在は通販でしか手に入らない(と思ふ)。

 他にも、大きな文房具店に行けば、名刺サイズのメモ帳がいくつかある。写真は、LIFEASHFORDのもの。

 ASHFORDには「名刺&メモホルダー」もある。これは、フラップの裏に小さなペンのクリップ(うんと細ければ軸)を挿して携帯することができる。写真は、GRAF VON FABER-CASTELLの「クラシック・コレクション・ポケット・ペン」を挿したところ。ジャスト・サイズである。

 ASHFORDの「名刺&メモホルダー」を紹介したついでに、小さなメモ(Thinking Power Notebookの「ナイト・アンド・デイ・ディンプル」)を携帯するためのケースを紹介する。バッグやバッグ・イン・バッグの小さなポケットを利用できる場合はよいが、さうでない場合には探すのに手間取つたり、メモが折れたりしてしまふことがある。それを避けるためには、やはりケースがあるとよい。
 一つは、Kaweco「スペシャル・ペンシル・ミニ」の缶ケースである。ケースの中の敷物には横に長い「Z」型の溝があり、買つた時には斜めの部分にペンシルが入つてゐるが、横線の部分にちやうどペンシルが入り、もう一つの横線にTOMBOのホルダー消しゴム「MONO ONE」が入り、その上に「ナイト・アンド・デイ・ディンプル」が収まる。

 それから、廃品利用で、「FRISK neo」のケースと成城石井で買つたチョコレート菓子のケース(「SAMON COLL」とある)。どちらも、「ナイト・アンド・デイ・ディンプル」とTomboの薄型消しゴム「MONO smart」が入る。ただし、これに入る大きさのペンはなかなか無い。ただ、バッグやバッグ・イン・バッグにはペン挿しがある場合が多いので、ペンはそちらを利用すればよいだらう。

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