20代の頃、日常的に使つてゐたのが、この「MONT BLANC」の「スリムライン」である。MONT BLANCの廉価版入門モデルだが、名前の通りスリムで現代的なデザインで、どちらかと言ふと若い人に人気だつたやうに思ふ。小生が買つた当時(大学2年の頃)は、万年筆が1万円で、ボールペンとシャープペンシルは5千円だつたと思ふ。(廉価版といつても学生には廉くはない買物だつた。)ボディは真鍮製で、金鍍金のクリップの先にMONT BLANCのホワイトスターのマークが付いてゐるのがポイント。(キャップの天とボディーの尻にもホワイトスターがある。)ペン先は、スチールに金鍍金だと思はれる。ペン先の太さは、刻印は無いが、EF(エクストラファイン)だつたと思ふ。(購入した時に、ペン先の太さを示すシールが貼られてゐたやうな気がする。)
システム手帳に移行するまでは、手帳は新潮社のものを使用してゐたが、それに記入するのは「スリムライン」の青の万年筆にロイヤルブルーのインクを容れて使つてゐた。講義ノートなどはシャープペンシルを使つてゐたが、手紙や日記はこの「スリムライン」で書いてゐた。(と言ふか、父から贈られたパーカー45が毀れてからしばらくは、万年筆はこのスリムラインしか持つてゐなかつた。)

システム手帳を使ふやうになると、青・黒・赤のボディに同色のインクを容れて、PLUSの「書籍目録」のリフィルに、一般書籍は青、コミックは黒、雑誌は赤…と色分けをして、購入した本の記録を取つてゐた。うつかりダブつて購入しないためでもある。(「システム手帳リフィル(趣味・遊び心)」の投稿のアイキャッチ画像がその写真。)読んだ本や観た映画の記録や感想は、日記に書いてゐた。日記には、大学やアルバイト先での出来事、当時の恋人への思ひ、世相への批判など、若い頃の小生が感じたことがあれこれと(青臭い思ひがロイヤルブルーのインクで)綴られてゐる。(勿論、恥づかしくて何十年も読み返してはゐない。)
今では、万年筆の使用自体が稀になつてゐるが、この「スリムライン」をかうして手にすると、ありし日の記憶が甦つてくる。
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