感動文房具7 サクラクレパス「Ballsign iD Single」・ZEBRA「SARASA」他 ゲルインクボールペン

偏愛文房具

 「Ballsign iD」「サクラクレパス」が2025年に、「SAARASA」「ZEBRA(ゼブラ)」が2000年に販売を開始したゲル(ジェル)インクボールペンである。
 ボールペンには、インクの違ひによつて、油性ボールペン・ゲルインクボールペン・水性ボールペンの3種類がある。(ゲルインクボールペンは、水性ボールペンの一種とすることもある。また、この他に油性インクと水性インクを混合したエマルジョンインクボールペンなどもある。)PILOTのHPからその種類と特徴についての説明を掲げておく。

油性ボールペン
手軽で実用性の高いボールペン。揮発・乾燥に強い、書いた文字が変質しにくい、筆記距離が長い、複写伝票に最適、などの特長があります。水性やゲルインキに比べると、やや書き味が重くなります。

ゲルインキボールペン(水性)
水性インキにゲル化剤を加えることで通常は粘度が高く、筆記時に水性ボールペン並みに粘度が低くなる特性を持ったボールペンです。濃くクリアな文字を、軽い筆圧で書くことができ、にじみも少ないという特長を持ちます。

水性ボールペン
濃くクリアな文字を、軽い筆圧で書くことができます。インキが紙に浸透し筆跡となる為、油性に比べるとにじみやすい性質があります。複写伝票には向きません。

 油性ボールペンは、アメリカで発明されたものをハンガリーの新聞社の校正係ラディスラオ・ピロが新聞のインクを応用して商品化した。日本には、敗戦後に、進駐軍のアメリカ兵によつて持ち込まれた。その後、国産ボールペン(油性)の製造が始まる。油性ボールペンは、書き味が重いとされるが、最近は粘度が低くサラサラとした書き味の三菱鉛筆uni「JETSTREAM(ジェットストリーム)」なども開発されヒット商品となつた。
 水性ボールペンを最初に開発したのは、日本の文具メーカー「OHTO(オート)社」である。水性ボールペンは、海外でも発売され、サラサラとした書き味で人気を博した。(海外では、一般に、ローラーボールと呼ばれ、ボールペンとは違ふ独立したジャンルの製品として扱はれる。)現在、世界で最も出荷されてゐる筆記具は、(ゲルインクボールペンを含む)水性ボールペン(ローラーボール)である。
 ゲルインクボールペンを最初に開発したのは、やはり日本の文具メーカー「サクラクレパス社」である。油性インクは書きづらく水性インクは水で滲みやすいといふ両者の問題点を解決しようと開発された。オリジナルは外国製でも、それを改良したりアレンジして新たなものを作り出したりする日本人の発想力には、感嘆する。(その最たるものは、漢字から平仮名や片仮名を作り出したことだらう。あんパンやカレーライスなど食品に関しては、枚挙に暇が無い。)
 以前にも書いたが、小生は油性ボールペンの書き味や筆跡が好きではない。若い頃は、日記や手帳は万年筆を使用し、メモなどはメカニカルペンシル(シャープペンシル)を使用してゐた。水性ボールペンも試してみたが、最近は、複写式用紙などに書く場合は油性ボールペンに限られるが、(改まつた書類や手紙などは万年筆を使用するが)一般のペン書きの書類などには主にゲルインクボールペンを使用してゐる。書き味は、万年筆とボールペンの中間で、安価で手軽である。初めて手にした時は「これがボールペンか!」と感動した。鮮やかな発色で、インクの色が豊富なのも魅力である。
 現在では多くのメーカーがゲルインクボールペンを発売してゐるが、やはり最初にゲルインクを開発した「サクラクレパス社」に敬意を表したい。キャッチアップ画像サクラクレパス社ゲルインクボールペン「Ballsign iD Single(ピュアブラック)」にした所以である。(「Ballsign iDSingleは、色味の異なる6色の黒インキを揃へ、ボール径も0.3mm・0.4mm・0.5mmの3種がある。)ただし、残念ながら、現在は、ゲルインクボールペンのシェアをZEBRA(SARASA)・PILOT(juice他)・三菱鉛筆(uni-ball他)・ぺんてる(ENERGEL)に奪はれ、小さな文房具店だとサクラクレパスの商品を置いてゐないことも少なくない。ゲルインクボールペン市場の開拓者だけに、頑張つてほしい。
 小生は、もつぱらZEBRASARASAを使つてゐる。いくつか試し書きをしてみてSARASAの書き味が好かつたことと他社では少ない芯径0.7mm・1.0mmの中字・太字をラインアップしてゐることである。デザインも比較的好ましく、インクの色も多彩である。

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