有馬温泉

街角の本屋までの旅

2026.01.05

 ホテルから「本町駅」まで歩き、「本町駅」から御堂筋線に乗り「桃山台駅」下車。「千里ニュータウン」バス停から阪急高速バス「有馬温泉」に向かふ。

 「有馬温泉バスターミナル」でバスを降りると、宿泊先の「有馬御苑」が目と鼻の先なので、荷物を預けて有馬温泉街を散策。

 「有馬温泉」は、日本三古泉の一つで(残りの二つは道後温泉白浜温泉)、江戸時代には日本三名泉(残りの二つは草津温泉下呂温泉)とされた。鉄塩化物泉を含み空気に触れると酸化して褐色になる〝金泉〟と無職透明な〝銀泉〟(炭酸水素塩泉と放射能泉)とがある。六甲山地北側の紅葉谷の麓の山峡に広がつてをり、神戸の市街地からはそれほど離れてゐないが、都会の喧騒から隔離された気分を味はふことができ、〝関西の奥座敷〟として数多くの人々に愛されてきた。中でも豊臣秀吉は有馬温泉をこよなく愛したといふ。(「有馬温泉」HPに拠る。)
 「有馬温泉バスターミナル」の隣の「湯けむり広場」には、「茶人太閤像」がある。

 温泉街の入口「太閤橋」の袂にレトロな建物の土産物屋「𠮷高屋」と老舗の漬物屋「千成屋」がある。

 対岸には、小さな赤い鳥居が立ち並ぶ「増富稲荷神社」がある。

 「太閤橋」の下には有馬川が流れ、「親水広場」になつてゐる。

 「親水広場」を上流に向かつて歩くと「ねね橋」があり、その袂に「ねねの像」がある。(ねねは、秀吉の正室。)

 「親水広場」と並行する歩道には、映画『ラブライブ! 虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 完結編 第2章』とのコラボ(オリジナル缶バッジの販売とかがあるらしい)の幟が立ち並んでゐる。

 「有馬温泉観光総合案内所」「有馬温泉散策マップ」を貰ふ。「有馬温泉観光総合案内所」には「温泉むすめ」のパネルが置かれてゐる。(有馬温泉のキャラクターは有馬輪花&有馬楓花。)

 「有馬温泉観光総合案内所」の前は、太閤通といふ広い通りになつてゐる。

 太閤通の突き当たりに有馬温泉街で最も古い宿(鎌倉時代に創業)「陶泉 御所坊」がある。

 「陶泉 御所坊」の手前の土産物屋「若狭屋」の脇から始まる湯本坂を登る。

 すぐに「金の湯」(文字通り〝金泉〟が愉しめる外湯)が右手に見えてくる。

 湯本坂の両側には、さまざまな店舗が建ち並ぶ。
 「大黒屋」は、有馬温泉街最古の店の一つで、松茸昆布や竹細工など土産を売る。

 「三津森本舗」は、名物炭酸煎餅の店。創業者の三津森繁松が明治末期に製造・販売したのが炭酸煎餅の初まりださうだ。(帰りに焼きたての炭酸煎餅を1枚試食させてもらつて、妻は知人への土産に炭酸煎餅を買つた。)

 「川上商店」は、室町時代後期創業の佃煮の老舗。名物の松茸昆布の他、有馬山椒を使つた佃煮などを売る。

 「川上商店」の向かひの「竹中肉店」では、神戸牛を使つたミンチカツコロッケなどが手軽に食べられる。

 「川上商店」の角(赤いポストがある)を左に曲がると、「有馬天神社」があり、その境内に「天神泉源」がある。有馬温泉にはいくつもの〝泉源〟があるので、温泉街を廻りながら見てみようと思ふ。

 赤いポストまで戻り、湯本坂をさらに進むと、真宗大谷派の寺院「林渓寺」がある。

 「林渓寺」の手前を右に折れて坂道を登ると、有馬竹細工「有馬籠 本店」がある。

 「有馬籠 本店」の手前に蕎麦の人気店「土山人」がある。ここで昼食にする。

 「有馬温泉」は、神代の昔、大己貴命と少彦名命の二神が有馬の地に降臨した折、三羽の傷ついたが水溜まりで水浴びをしてその傷が癒えたのを見て、この水たまりが実は効能たかい温泉だと判つたといふ伝説があり、この「土山人」では庇の上にも店内にもの飾りがある。

 小生は、「有馬御膳」(蒸籠蕎麦・桜海老の掻き揚げ・太巻)を食す。

 昼餉を済ませ、坂道をさらに登り、三叉路を左に曲がりタンサン坂を登ると「三ツ森 炭酸泉店」がある。「炭酸煎餅」とともに「ありまサイダー てっぽう水」も売つてゐたので、買つて飲む。素朴な味である。(サイダーの壜の横の妻の手が持つてゐるのは、絵葉書である。)

 「三ツ森 炭酸泉店」の先に「炭酸泉源公園」がある。

 「炭酸泉源公園」の中に、神社のやうな屋根の下に丸い石の井戸があり、炭酸泉が涌き出てゐる。井戸の近くには入れないが、向かつて左に蛇口があり、炭酸泉を飲むことができる。(ただしサイダーのやうに甘くはない。)昔は、この炭酸泉に砂糖を加へてサイダーとして飲んださうだ。

 少し戻り、三叉路を左に進むと、「銀の湯」(〝銀泉〟が愉しめる外湯)がある。

 「銀の湯」の先の横道を左に入ると、「極楽泉源」がある。

 その先には、浄土宗の「念佛寺」「極楽寺」や「湯泉神社」などの寺社がある。

 来た道を戻り、湯本坂にある「妬(うはなり)神社」の小さな赤い鳥居の横の路地を入ると、「妬泉源」がある。(かつてはこの傍の井戸から温泉が湧いてゐたが、美しく化粧をした女性が側に立つとお湯が嫉妬して吹き出したことから「妬湯」と名付けられたのだといふ。「妬湯」は涸れてしまひ、新しく掘られた泉源が「妬泉源」である。)

 路地の先には、レトロモダンな店舗が建ち並んでゐる。

 路地を引き返し、湯本坂に戻るとすぐにジェラートの名店(国際大会で入賞したさうだ)「arima jelateria Stagione」がある。定番の「六甲プレミアムミルク」「塩マスカルポーネきんかん香る甘酒仕立て」を加へたものを食す。

 「金の湯」の角を左に曲がると「湯之花堂」がある。ここでは、焼型から剝がしたての熱々で柔らかい〝生〟炭酸煎餅が食べられる。ただし、すぐに堅くなつてしまふので、柔らかい状態で食べられる賞味期限は5秒ださうだ。小生は、片手に iPhone を持つて写真を撮らうとしてゐたら、もう堅くなつてしまつてゐた。…残念。

 ここで紹介した以外にも、有馬温泉の伝統工芸品「有馬人形筆(からくり筆)」「竹細工」「クラフトビール」「みたらし団子」などの店もあり、古い温泉街の風情の中に新しい瀟洒な店舗もあつて、活気を感じた。
 夕食前に風呂に入るために、ホテルに戻る。宿泊先に「有馬御苑」を選んだのは、〝金泉〟と〝銀泉〟両方に入れる宿だからである。(さういふ宿は少ない。)この時期に外湯の「金の湯」と「銀の湯」両方に入ると確実に湯冷めする。
 ホテルの部屋から眺めると、有馬温泉街が山間の斜面に作られたことがよく判る。

 夕食は、「季節の和会席」。神戸牛のしやぶしやぶをメインに、旬の食材を活かした料理が並ぶ。神戸牛は、柔らかく脂肪に甘味もあり、美味。地酒も少しばかり飲む。

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