松山から伊予大洲へ 「松山城」「大洲城」

街角の本屋までの旅

2025.03.28 その1

 昨日、「新横浜駅」から新幹線「のぞみ」とJR予讃線「特急 しおかぜ」を乗り継ぎ、「松山駅」に着いた。

 四国を巡る旅だが、主目的は観光列車「志国土佐 時代の夜明けのものがたり」「四国まんなか 千年ものがたり」に乗ることである。本来は「伊予灘ものがたり」も含め四国の代表的な3つの観光列車に乗りたかつたのだが、予約申込はしたものの「伊予灘ものがたり」は予約が取れなかつた。(某観光ツアーには3つを乗り継ぐプランがあつたが、かなり高額だつたので、同行者(妻)が巧く乗り継げるやうに計画を立ててJRに予約申込をしてくれたのだが、「伊予灘ものがたり」は倍率が高いせゐか抽選に外れてしまつた。)
 松山には15時過ぎに着いた。「JR松山駅」は、松山駅付近連続立体交差事業に伴ひ高架化工事が行はれ、新しい駅舎になつてゐた。高架下は「松山駅だんだん通り」といふ商業施設になつてゐたが、駅構内はまだ工事が行はれてゐて、「松山城」や市街地のある東側には旧駅舎が残つてゐる。

 時間が無いので、随分昔に一度訪れたことがあるが、「松山城」にだけ行くことにした。
 「松山城」は、江戸時代初めに松山市の中心部に位置する勝山に築かれた平山城で、四国では最大の城郭である。天守は、江戸時代後期に再建されたもので、現存12天守の中では最も新しい。松山市のほぼ中央にある勝山山頂に本丸があり、リフトで昇る。(雨が降つてきたので、帰りはロープウエイで降つた。)

 松山城ロープウェイ乗り場の近くにある県産品を売る店「伊織 松山お城下店」蜜柑ジュースの飲み比べをした。5つの蛇口からそれぞれ違ふ種類の果汁が出るのを3種選んで飲むことができる。
 路面電車(伊予鉄道)に乗つて帰る。小生が乗つた車輌のつり革には、すべて蜜柑(勿論イミテーションだがかなりリアル)が付いてゐた。

 松山市内のビジネスホテルに泊まる。夕食は「郷土料理 五志喜」で「宇和島鯛めし・そうめん・じゃこ天・ふくめん・みかんいなり」などの郷土料理が詰まつた「媛会食」。地酒も少々飲む。(「宇和島鯛めし」は、生卵を溶いたタレに鯛の刺身と海藻を絡ませ、それを飯の上に乗せタレも掛け薬味を添へて食す。「ふくめん」は、味付けした糸蒟蒻の上に、白身魚のそぼろ・細かく刻んだ蜜柑の皮・葱などを区画に分けて盛り付けたもの。名前の由来は、蒟蒻が見えなくなるまで「覆面」することからといふ。(異説あり。))

 土讃線「特急 宇和海」に乗り、「伊予大洲駅」に向かふ。「宇和海」に乗るホームの反対側に「アンパンマン列車」が入線してゐた。多くの人が写真を撮つてゐた。

 「大洲」は、〝伊予の小京都〟とも呼ばれ、歴史的建造物が多く残る。大洲市の城下町の取り組みは、2021年度にグッドデザイン賞を受賞。
 伊予大洲駅前の大通りには、「少彦名神社」の鳥居がある。

 「大洲城」へは、右手の道を進み(正面の道を行つてもいいけれど)、途中県道24号を右手に折れる。日本料理店「との町たる井」の先で国道56号に合流し、肱川橋に至る。肱川橋からは、河畔の小山の上に建つ「大洲城」が見える。

 肱川橋を渡り、本町一丁目の商店街を通つて「大洲城」へ。「大洲城」に登る坂の下には「大洲市民会館」がある。橋から見えた大洲城の傍らの高い建物はこれだつた。「市民会館」の向かひには、歴史的建造物に宿泊できる「NIPPONIA HOTEL 大洲 城下町」がある。大洲の町全体をホテルに見立てた分散型ホテルとのことで、城下町に何箇所もホテルがある。

 「大洲城」は、鎌倉時代末期に伊予宇都宮氏が創建したが、江戸時代初期に藤堂高虎らによつて大規模に修築がなされた。明治維新後に本丸の天守・櫓の一部を除き破却され、天守も老朽化と構造上の欠陥のために1888年に解体されたが、2004年に伝統工法を用いて現在の天守が復元された。3層の天守が多い中、「大洲城」の天守は4層で、規模は大きい。

 古い町並みを抜けて「臥龍山荘」に向かふ。「五百原七福堂」では、引菓子の木型を展示してゐた。「おおず赤煉瓦館」に立ち寄り、「おはなはん通り」を通る。「おはなはん通り」は、NHKの朝のドラマ「おはなはん」やフジテレビのドラマ「東京ラブストーリー」のロケが行はれた。赤名リカ(鈴木保奈美)がカンチ(織田裕二)に別れの手紙を出したポストもある。(リカは奔放だけれど可愛かつたなあ。)

 「臥龍山荘」は、木蝋貿易で富を得た河内寅次郎が建てた数寄屋建築の傑作で、国指の重要文化財に指定された臥龍院・不老庵・知止庵の建造物と借景庭園が広がる。

 「伊予大洲駅」から予讃線「特急 宇和海」で「宇和島駅」へ向かふ。「伊予大洲駅」には、「海洋堂ホビートレイン かっぱうようよ号」が停車してゐた。河童の模型が座つてゐる座席があるのが、窓から見える。

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