茅野(蓼科)行2日目 「BARAKURA English Garden」「北八ヶ岳ロープウェイ」「蓼科湖」

街角の本屋までの旅

2025.08.23

 ペンション「けさらんぱさらん」は、40年ほど前に夫婦で始められたさうだが、現在は夫人が一人で切り盛りされてゐる。(当時は、三井の方針で「蓼科高原三井の森」に6軒のペンションがあつたさうだが、現在は「けさらんぱさらん」1軒のみ。)
 この日の朝食は、手作りのパン・スープ・サラダ・じやが芋とベーコンのバター焼き・卵のココット・コーヒー。どれも美味しかつた。

 ペンションをチェックアウトし、午前中は観光をする。
 まづ「BARAKURA English Garden」に行く。「BARAKURA English Garden」は、英国庭園を広めたパイオニアのケイ山田が日本初の本格的英国式庭園として1990年に開園。ケイ山田は、「丸の内三菱一号館」(先日「三菱一号館美術館」の「ルノアール×セザンヌ」展を観てきた)の中庭や新潟県見附市の産業団地内の庭園の監修などもしてゐる。薔薇だけでなく、四季を通じて花が咲き変はるやうにデザインされてゐる。(「バラクラ」は、「バラ色の暮らし」の略ださうだ。)庭園は区画ごとにコンセプトがあり、テーマガーデン『不思議の国のアリスの庭』などもある。カフェレストランやベーカリーショップなどもあり、ガーデニングスクールも実施してゐる。

 「北八ヶ岳ロープウェイ」に乗る。「山麓駅」の駅舎は、スイス風の造りである。「山麓駅」の標高は1771mで、標高2237mの「山頂駅」まで全長2215m・高低差466mを約7分で昇つてゆく。

 ロープウェイから眺める日本アルプスの山並。青空の下、雄大な景色が拡がる。

 ロープウェイの下の斜面には、縞枯れした樹木が見える。(「縞枯れ」は、亜高山帯の針葉樹である白檜曾(シラビソ)や大白檜曾(オオシラビソ)の優占林に限つて出現する現象だといふ。これらの樹林帯の一部が帯状に枯れると白い縞模様ができるので、この名がある。)

 ロープウェイの搬機は2台あり、1台は濃緑、もう1台は赤。乗車定員は100人。小生は、濃緑の1号機に乗り、「山頂駅」に着く。

 「山頂駅」には「坪庭自然園」があり、散策コースが整備されてゐて、一周30〜40分で手軽に登山気分が味はへる。「坪庭」は、横岳の噴火で噴出した溶岩が固まつてできた溶岩台地に、自然に植物が生えて出来た庭園ださうだ。季節ごとにさまざまな高山植物が咲く。(山頂駅からはさまざまなコースでの登山も可能だが、指定登山道での登山は「登山計画書」の届出が必要。)

 「坪庭自然園」の岩山の上から「山頂駅」を望む。「山頂駅」の2階には、カフェテリア「スカイレストラン」の先に「展望台 スカイアイ2237」があり、北・中央・南の「日本三大アルプス」が一望できる。

 ロープウェイを降り、来る時に見掛けた「小津安二郎記念館 無藝荘」に立ち寄る。「無藝荘」は、小津安二郎が蓼科の別荘として利用してゐた茅葺き屋根の建物で、仕事場や接待の場として使用した。「無藝荘」が元々あつた場所は、現在の地から1km程離れた所だが、2003年に小津生誕100年を記念して建物の保全のために茅野市によつて移築されたといふ。囲炉裏や風呂・手洗ひ場の風情も当時の姿のままに再現し、蓼科観光協会によつて維持管理されてゐる。小津が晩年を過ごした蓼科では、「小津安二郎記念 蓼科映画祭」が催され、小津が盟友の脚本家・野田高梧と日に何度となく散歩した疎林は「小津の散歩道」として整備されてゐる。(小津安二郎の映画は、恥づかしながら、若い頃に「東京物語」や「秋刀魚の味」など何作か観ただけ。改めて観直してみようかな。)

 「蓼科湖」は、昭和27年に農業用ため池として、また観光のメッカとして誕生した人造湖。小さな湖だが、蓼科観光の中心地で、周囲には、ペンション・旅館・レストラン・売店などさまざまな施設がある。湖では、ボート遊びもできる。

 湖畔にある、レストラン・日帰り温泉・宿泊施設・観光案内所を併設した蓼科レイクリゾートの拠点「蓼科BASE」

 「蓼科BASE」内の長野県食材を使用した食のアンテナショップ「APRON MARK」で昼食。

 小生は、「諏訪味豚のスイートジンジャーポーク」を注文。スープ(この日はトマトのポタージュ)・サラダ(信州和牛のローストビーフが乗つてゐる)・ライス(またはパン)・飲み物(桃ジュースにした)付き。

 昨日入浴した「尖石温泉 縄文の湯」の斜向かひにある手作りアイスクリームの店「Pepin(ぺぱん)」でアイスクリームを食す。季節により8〜10種のアイスまたはソルベがあり、カップまたはコーンに2種類を選んで入れてもらへる。1番人気だといふ「高原ミルク」は勿論、「スイカ」や「とうもろこし」も素材の味がしつかりと感じられて美味しかつた。店では焼き菓子も売つてゐる。

 この後、「たてしな自由農園」で野菜と果物を買つて帰る。ただし、中央自動車道で事故渋滞に遭ひ、3時間の道が4時間半以上掛かつてしまつた。やれやれ…。

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