2025.07.22
道東の旅。羽田から飛行機で釧路へ。北海道には何度も来てゐるが、今回は、某旅行社の〝個人では行きにくい秘境絶景を訪れるツアー〟に参加する。
東京モノレールから羽田空港の「第1ターミナル 北ウイング」に出ると、正面に「山下書店」がある。道中の徒然を慰めるには、若者はスマホゲームだらうが、読書にも一定の需要があるのだらう。目的地が主に北(近畿もあるが)の便は「北ウイング」で、集合場所の目印に「月の塔」がある。(南に向かふ便は「南ウイング」で、「太陽の塔」がある。)


「釧路空港」に向かふ飛行機は「ボーイング738」で、比較的小さめの機種である。

「釧路空港(たんちょう 釧路空港)」には、丹頂鶴や羆(ヒグマ)など北海道の特徴的な生物のモニュメントがある。


避暑も兼ねて北海道東(道東)を訪れたのに、北海道は記録的猛暑で釧路空港の気温も30度超え!(釧路の過去5年間の7月の最高気温の平均は約22度ださうだ。)明日の帯広の予想最高気温は40度!

釧路空港で添乗員が待つてゐて、空港からは観光バスで移動。
道東の旅1日目の今日は、「釧路湿原」に向かふ。

「釧路湿原」は、北海道東部を流れる釧路川とその支流を抱く日本最大の湿原である。国の特別天然記念物の丹頂鶴をはじめ多くの動植物の貴重な生息地となつてゐる。開拓が困難で役に立たない土地と考へられてきたが、戦後の食料不足による農地開発や市街地開発及び丘陵地伐採などにより、湿原面積の減少や乾燥化が進んだ。それに対し地元の研究者や自然保護団体が、湿原の価値を見直すための運動を続けた結果、その価値が国際的に認められ、昭和55年に日本で最初の「ラムサール条約(特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約)」登録湿地となり、国立公園に指定された。湿原は、丘陵・台地に囲まれてゐるが、これはかつて海だつた時代の海食崖と推測されてをり、釧路湿原の地形の特徴の一になつてゐる。(環境省HPの説明に拠る。)
尾瀬などもさうだが、湿原には、訪れた人が歩きやすくするためと湿原の保護のために木道が設置されてゐることが多い。「温根内木道」は、「温根内ビジターセンター」を起点とし、釧路湿原の中を散策できるバリアフリー木道が設置されてゐる。徒歩約1時間(3.1km)の外周り、徒歩約40分(2.1km)の中周り、徒歩約10分(500m)の小周りと、3種類のコースがある。我々は、中周りコースを歩く。

木道の周囲には、葦(ヨシ)や菅(スゲ)が(日蔭にはシダ類が)生ひ茂つてゐる。途中には、休憩のためかフォトスポットか、ベンチも設置されてゐた。




木道を歩いてゐると、山黄斑日陰(ヤマキマダラヒカゲ)や蝦夷蜻蛉(エゾトンボ)・眉立茜(マユタテアカネ)などが飛び交つてゐた。


湿原に咲いてゐる花は、さう多くなかつたが、木道の脇には、毒芹(ドクゼリ)の白い花や蝦夷延胡索(エゾエンゴサク)の紫の花が見られた。


残念ながら釧路湿原を一望できる「釧路市湿原展望台」まで行く時間は無かつたが、ホテルへ向かふ途中でバスを駐めて道の傍らの展望地から釧路湿原を眺めた。

バスの車窓には、北海道らしい雄大な風景が拡がる。7月末から8月に掛けてよく眼に付くのは、畑にいくつも置かれた円柱状の物体である。これは麦藁を丸めたもので、「麦稈(ばつかん)ロール」と呼ばれる。専用の機械が、小麦を収穫した後に残された麦藁を取り込んでロールを作り、畑に転がしていくといふ。この麦稈ロールは、その後牧場に運ばれて牛の寝床に敷かれるさうだ。

ホテルは、釧路市内にある。途中、JR「釧路駅」前を通る。

今日の宿には、夕食は付いてゐないので、添乗員さんが奨めてくれた炉端焼きの店の中の〝全席喫煙可〟ではない店で食べようと思ふ。ツアー客には1人2000円分の港町クーポンが付いてゐたが、クーポンが使へる炉端焼きの店の大半が全席喫煙可なのには驚いた。東京では考へられないことだ。
夕食の前に、「釧路港」から「幣舞橋」に掛けての界隈を少し散策する。
港近くの電柱には、雀ならぬ鷗が留まつてゐた。

港の近くの道路沿ひには、煉瓦造りの倉庫が建ち並んでゐる。

「北海道立釧路芸術館」も煉瓦造りの建物である。今は、「さかなクンのギョ苦楽展 ~さかなクンの世界とギョギョギョ水族館~」をやつてゐるらしい。

「幣舞橋」の袂には、飲食店・売店や公共施設などが入つた複合商業施設「フィッシャーマンズワーフMOO」がある。

「フィッシャーマンズワーフMOO」の釧路川側には、炉端焼き屋「岸壁炉ばた」もある。

釧路川に架かる「幣舞橋」の上から眺めた「フィッシャーマンズワーフMOO&EGG」の全景。(「EGG」は、「Ever Green Garden」の略で、1年中花と緑に包まれた屋内植物園で、市民の憩いの空間になつてゐるといふ。)

「フィッシャーマンズワーフMOO」の前から「釧路港」の夕陽を眺める。

「幣舞橋」からの夕景。「幣舞橋」の橋脚上には、4人の彫刻家による四季をイメージした彫刻が飾られてゐる。

「幣舞橋」と「久寿里橋」との間の地域には、多くの炉端焼き屋(居酒屋)が建ち並んでゐる。

小生は、「炉ばた居酒屋 はたご家」で夕食。生ビールと地酒(福司)を飲みながら、法華(ホッケ)や烏賊や帆立貝など北海道の味覚に舌鼓を打つ。締めは、腹子の釜飯(鮭の釜飯にイクラを載せたもの)。

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