2025.07.24
道東の旅の3日目。
朝、ホテルの庭園から続く屈斜路湖畔を散歩する。「屈斜路湖」は、日本最大のカルデラ湖である。
散歩の後、ホテルのビュッフェ形式の朝食を食したが、地元の食材の他、牛乳の飲み比べ(3種)があつたのは嬉しかつた。



朝食後、バスで「摩周湖」の第一展望台「摩周湖カムイテラス」に向かふ。「摩周湖」は、カルデラ湖だが、バイカル湖に次ぎ世界で2番目に透明度の高い湖である。「霧の摩周湖」といふ歌があるやうに湖面を霧が覆ふことも多いが、今日はよく晴れて「摩周ブルー」と呼ばれる深い青色の湖水が眺められた。湖の中央には「カムイシュ島」(中島)と呼ばれる小島がある。


連日の猛暑で、熱中症予防のため水分補給は必須。水や麦茶を頻繁に飲むが、折角なので北海道ならではの飲料も買ふ。下の写真は、添乗員が紹介してくれた「森の雫」。白樺の樹液である。

バスで「北浜駅」に向かふ。猛暑のためか、牛を放牧してゐる姿はほとんど見られなかつたが、車窓から馬の姿を見ることができた。

「北浜駅」からJR「釧網本線」に乗る。「北浜駅」は、オホーツク海に最も近い駅で、ホームから海岸までは20mほどである。




隣の「原生花園駅」は、文字通り「小清水原生花園」の傍らにある。(下車はしないので、車窓から眺めただけだが、野生の花が咲いてゐるのがチラッと見えた。)

「浜小清水駅」で下車。駅舎は道の駅「はなやか小清水」と合築になつてゐる。

バスに乗り換へて、斜里のドライブイン「ガーデンハウス藤苑」で昼食。「鮭のちやんちやん焼き」と地元の食材を使つた料理を食す。


知床に向かふ車窓からは、オホーツク海が眺められる。水はとても澄んでゐる。


「知床五湖」の中の「知床一湖」を訪れる。地上遊歩道は、羆の活動期なので有料のガイドツアーに参加する必要があるが、「一湖」には高架木道が設置されてゐて(木道の端には羆除けの高圧電流も流れてゐる)、自由に歩くことができる。木道からは、知床連山も見渡される。



引き返す途中で、来るときは素通りした「オシンコシンの滝」に立ち寄る。「オシンコシンの滝」は、落差50mほどあり、知床半島第一の大瀑である。日本の滝100選にも選ばれてゐる。階段で滝の中ほどまで登り、滝の流れを間近に眺めることができる。猛暑の中、清涼感を得ることができた。


北海道ならではの飲料その2「知床ガラナ」。「ガラナ飲料」は、ブラジルを主生産地とする「ガラナ」の実を利用した炭酸飲料である。日本では、コカ・コーラに対抗するために開発されたが、コカ・コーラの普及が遅れた北海道では、コーラ飲料よりも一足先に普及したといふ。(Wikipedia及び「ユートピアシレトコ」HPによる。)

阿寒湖畔のホテルに向かふ途中で、「天に続く道」を通る。広い北海道は、長い直線道路がいくつもあるが、この「天に続く道」は何と約28.1kmの直線道路。(東京で言へば、JR中央線の新宿駅・立川駅間27.2kmよりも長い!)真つ直ぐな道が天まで続いてゐるやうに見えることからこの名が付いたといふ。

ホテルでの夕食の後、近くの「阿寒湖アイヌコタン」(アイヌの文化や歴史を受け継ぐ人々が暮らす集落)に行く。手前の道で左前足が欠損した北狐(キタキツネ)を見掛けた。誰かに保護されて飼はれてゐるのだらうか?

美しいアイヌ文様が施された木彫作品や刺繍などを売る民芸品店は、まだ開いてゐた。店頭には観光客向けの現代的な作品も多いが、奥の方には伝統的な工芸品も置かれてゐる。


常設劇場「阿寒湖アイヌシアター イコロ」では、国の重要無形民俗文化財・ユネスコ無形文化遺産の「アイヌ古式舞踊」などの公演が行はれる。

小生は、21時からの公演「阿寒ユーカラ ロスト カムイ」を観る。古式舞踊・現代舞踊・3DCG・7.1chサラウンドを組み合はせて立体化した幻想的な舞台だつた。
カムイ(神)の世界とアイヌの世界の二つの世界があると信じてゐるアイヌの人々は、動物・植物や自然現象、この世のあらゆるものに魂が宿ると考へてゐる。カムイの中でも蝦夷狼(エゾオホカミ)は別格で「ホロケウカムイ」(狩りをする神)と呼ばれてゐた。しかし、蝦夷鹿が激減すると、蝦夷狼は、やむなく開拓者たちの家畜を襲ふやうになり、駆除・毒殺されて絶滅に追ひ込まれてしまつた。(現在は、狼が絶滅したために、全国で鹿が増えすぎて、農作物を食べてしまふだけでなく、森の地面に生えている植物の若芽や葉も食べ尽くしてしまひ、生態系にまで影響を与へてしまつてゐる。ちなみに令和5年度の鹿による農作物の被害金額は約70億円で、野生鳥獣による全被害額の40%を超え、猪や烏による被害よりも遥かに多い。)

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