駒込 「六義園」「旧古河庭園」

街角の本屋までの旅

2024.11.30

 「六義園」「旧古河庭園」の紅葉を観ようと、駒込に行く。JR「駒込駅」の発車メロディは「さくらさくら」。駒込駅の近くが「染井吉野」の発祥の地なのださうだ。(山手線内回りと外回りとで曲のアレンジが違ふ。)駅ホームの「行先案内板」にも桜の花のイラストが描かれてゐる。

 南口を出ると、もう「六義園」の入口(染井門)が見えるが、そこからではなく南側の正門から入ることにする。古い煉瓦の壁に囲まれてゐて、歴史を感じさせる。

 「旧古河庭園」とセットで割引になつた「園結びチケット」を買ふ。「六義園」は、柳澤吉保が築園した「回遊式築山庭園」。池を巡りながら移り変はる景色を愉しめる日本庭園である。庭園名の「六義」とは、『詩経』の「詩の六義(三つの区分と三つの技法)」に拠る。柳澤吉保は、江戸時代前期の幕府側用人・譜代大名で、第5代将軍徳川綱吉の寵愛を受けて大老格として幕政を主導した。「六義園」は、明治時代に三菱の創業者岩崎彌太郎の別邸となり、昭和になつて東京都に寄付され、戦後「国の特別名勝」に指定された。都内の紅葉の名所として有名である。今日は、快晴で、紅葉も見頃だつた。

 1日に数回「江戸太神楽」の大道芸(曲芸)の上演もあり、来客を愉しませてゐた。寄席の舞台に立ち曲芸も見せるが、本来の仕事は獅子舞ださうだ。(小生、学生の頃は月一くらゐで寄席に通つてゐたので、新宿「末廣亭」で海老一染之助・染太郎の神楽芸をよく見た。)なかなか継承も大変らしい。

 「六義園」は、紀州(和歌山県)の「和歌の浦」の景勝を写したもので、その縁で南海電鉄の人が和歌山県を走る「加太さかな線」(南海電鉄)の観光列車「めでたいでんしゃ」のキャンペーンに訪れ、「めでたいでんしゃ」のパンフレットを配布してゐた。(簡単なアンケートに回答すると、クリアファイルのプレゼントもあつた。)

 昼食は、六義園側のカレーショップ「カリーシュダ六義園」で「牛キーマカレー」と「カルダモンティー」。茅場町の人気店の姉妹店ださうだ。店員は3人とも高齢で、のどかな感じ。カレーは、小麦粉や市販のルーは使はずに玉葱とスパイスを駆使したもので、美味しかつた。

 昼食後、本郷通りを北上し、国指定名勝「旧古河庭園」に向かふ。その途中山手線に架かる陸橋から駒込駅を見ると、駅名の看板にも桜の花が描かれてゐる。

 「旧古河庭園」は、陸奥宗光の邸宅だつたが、その次男が古河家の養子になり、古河家の所有となつた。現在の「洋館」と「洋風庭園」の設計は、「鹿鳴館」「ニコライ堂」「旧岩崎邸洋風洋館」などを手掛けた英国人建築家のジョサイア・コンドル。テラス式の庭園に植ゑられたバラが有名である。(「旧古河庭園」を紹介するガイドブックやHPでは、大体このバラ園から洋館を撮影した写真が使はれてゐる。)洋館は外壁修理工事を行つてゐて、バラ園側から洋館は見えないが、足場を囲ふシートに洋館の写真が印刷されてゐた。「日本庭園」の作庭者は、小川治兵衛

 ちなみに「都立文化財庭園」には、「六義園」「旧古河庭園」の他に、「浜離宮恩賜庭園」「旧芝離宮恩賜庭園」「小石川後楽園」「旧岩崎邸庭園」「向島百花園」「清澄庭園」「殿ヶ谷戸庭園」がある。

コメント