小生が感動した文房具の第2弾は、三菱鉛筆uniの「KURU TOGA(クルトガ)」。2008年3月に発売を開始した。上の写真(アイキャッチ画像)は、芯径0.7mmの「KURU TOGA ADOVANCE」。
小生は、メカニカル・ペンシル(シャープ・ペンシル)は、普段芯径0.7mmを使つてゐる。芯の濃さはB。日本では0.5mmのHBが主流だが、0.7mmでBの方がスラスラと滑らかに書ける。(場面によつて、0.5mmのBや0.7mmのHBも使用する。)0.9mmでは複雑な漢字が潰れてしまふし、Bより柔らかい芯だと擦れやすい。生徒にも小論文や論述の試験は、時間との闘ひなので、(最終的には自分の好みだが)答案が早く書けるやうに0.7mmのBも試してごらんと奨めたりもしたが、身に付いた習慣はさう簡単には変へられないやうだ。
ただやや太めの芯を使ふと、書いてゐるうちに偏減りで線が太くなつてしまふ。毛筆と違つて、ペンシルを直角に立てて書く人はゐないだらう。一般的には、45度前後の角度で書いてゐると思はれる。仮に45度で書いてゐるとすると、下側だけが磨り減つて、0.7mm芯もやがて約 1mm(0.7×√2)の太さになつてしまふ。そこで、小生は、書きながら手の中でペン軸を廻転させて、一定の細さになるやうに調整する。(さういふ人は多いだらう。)ただ、廻転の具合を調整するのは難しく、また角張つてゐるクリップ(傑作デザインとされる有名なペンにもある)が膚に当たると僅かに痛みを感じたりして書きにくいこともある。
そこで、この「KURU TOGA」は、自動で芯を廻転させてくれるのだ。しかも、文字の一画を書いて紙から芯を離すごとに廻転するのである。その仕組みについて、三菱鉛筆uni「KURU TOGA」のHPでは次のやうに説明してゐる。
芯を回転させる機構「クルトガエンジン」とは?
シャープペンの芯先に初めて注目して、新開発した機構です。 機構内部が3つのギアに分かれており、芯に連結された中ギアが、文字を書くときの筆圧を利用して、上下に運動します。 上下のギアと斜めに噛み合うことで、一画書く度に中ギアと芯が少しずつ回転します。
素晴らしい発想(アイディア)とそれを実現した技術に感動する。小生のやうな凡人は、芯を繰り出す際に尻軸のキャップをノックするごとに廻転させることを考へるし、その方が実現しやすさうに思ふのだが…。お蔭で、自分でペンを廻転させなくても、ほぼ一定の細さで文字・線を書くことができる。もう、初めのうちは綺麗に書けた画数の多い漢字が、徐々に線が太くなつて潰れてしまふことに悩まされなくていいのだ。
ただ、ほとんどの文房具店で、シャープ・ペンシルの売場に「KURU TOGA」のコーナーはあつても、0.3mmと0.5mmしか置いてゐない。「KURU TOGA」のメリットは、やや太めの芯の方がより顕著に現れると思ふのだが…。(0.3mmが多少太くなつてもそれほど問題は無いやうな気もするが、やはり0.3mmが0.4mmになるのは厭だといふ人も多いのだらう。製図やイラストでは、細い線を正確に引く必要があるし…。)実は、小生が最初に「KURU TOGA」の0.7mmを買つたのは、赤芯用である。(普通=黒芯用の0.7mmは見当たらなかつた。)まあ、黒芯の0.7mmに入れ替へればよいのだけれど…。(ちなみに、小生はボールペンやサインペンの書き味があまり好きではないので、試験の採点はずつと赤鉛筆でしてゐた。芯を削るのが面倒なので、赤芯のメカニカル・ペンシルも使つたが、やや薄い上に黒芯よりも折れやすかつた。そこで、1.3mmを使ふ時期がしばらく続き、最終的には、uniの芯ホルダーに赤の2mm芯を入れるのに落ち着いた。)

アイキャッチ画像の「KURU TOGA ADOVANCE」0.7mmは、「丸善 丸の内本店」で買つたものである。「KURU TOGA ADOVANCE」は、従来のクルトガが40画で1廻転するのに対し、20画で1廻転(1画で18度廻転)する。より早く、細く綺麗に尖りやすく進化してゐる。「KURU TOGA」も、今では、材質やデザインなどによりさまざまなバリエーションがある。
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