システム手帳  Micro5(M5)

偏愛文房具

 何年か前に、雑誌「趣味の文具箱」「システム手帳STYLE」がM5サイズ推しの記事を載せ、その時は「ASHFORD」くらゐしか販売してゐなかつたM5サイズだが、その特集がきつかけでM5サイズが流行し、現在では多くのメーカーが販売するやうになつた。(1990年代にもコンパクトなシステム手帳の流行があり、小生は当時購入した「PLANEX」のM5サイズの薄いものをメモ帳として使つてゐた。)
 小生も、仕事をしてゐた時はバイブルサイズやM6サイズのバーチカル形式のカレンダーでスケジュールを管理してゐたが、退職した現在は予定も減り、手帳もM5サイズで十分になつた。
 そして、M5は、他のサイズより小さい分やや廉価であり、買ひ増しすることに罪悪感が少なく、また買ひ増ししたことを妻に気付かれにくいため、いつの間にか机の抽斗の中で増殖してしまつた。
 M5の長所は、言ふまでもなく、小さくて嵩張らないことだらう。鞄の中に入れても邪魔にならず、軽い。薄いものなら、上衣のポケットにも入れられる。
 欠点は、やはり小さくて筆記スペースが狭いことだらう。スケジュール管理も、サイズ的な制約からバーチカル形式のものは使へない。リング径も9mmや11mmが一般的で、リフィルもさうたくさんは入らない。週間スケジュールは半年も入れられないだらう。この欠点を克服するためには、使ひ分けをするのがよい。
 小生は、「filofax」「original」(リング径19mm)には、週間スケジュール(見開き2週間)を入れ、「GANZO」「THIN BRIDLE」(リング径11mm)には月間スケジュールを入れ、「PLOTTER」「Bridle」(リング径11mm)はメモ帳として使ふなど、用途によつて使ひ分けてゐる。その他、最近はリフィルの種類も増えてゐるので、万年筆やインクのデータ、旅の記録、読書や映画など趣味の記録で使ひ分けることもできる。

 小生が持つてゐるM5サイズのシステム手帳の中で、所有する喜びを一番感じるのは、「GANZO」「THIN BRIDLE」である。これは、何年か前に伊東屋の「システム手帳サロン」の限定品コーナーで買つたものだが、赤い革(THIN BRIDLE)の発色が美しく、高級感がある。内側のミネルバボックスは、経年変化で変色してきたが、それもエイジングの愉しみである。(上に乗せてゐるのは、「GRAF VON FABER-CASTELL」の「ポケットペン」で、これもドイツのクラフトマン・シップが感じられる逸品である。小生のお気に入りであるが、M5用のペンについては、また別に述べようと思ふ。)

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